あるお坊さんにお稲荷さんを勧められました。
「これ以上お詣りする数を増やしたくない」
と、そう断りました。
実際、1日に手を合わせる神仏の数は決めていて
日々増えていくのでもうやめようと思っていました。
これ以上増やしてはいけない。
けれど、今度はお稲荷さんのことが頭から離れなくなりました。
何をしていてもお稲荷さんのことばかりが
頭によぎります。
気になって気になって仕方ない。
朝起きても電車に乗っても、考えることは
お稲荷さんのことばかり。
これは、呼ばれているんだな。
そう考えて諦めました。
お寺の外側にある小さな祠の中に
お稲荷さんはありました。
祠の中に一筋の光の線を引くと
縦に一本輝く線が息づきました。
ほら、やっぱり
狐ではない
お稲荷さんの中には何がいるのか
ここ数日そればかりを気にしていました。
お稲荷さんの中には狐はいない。
狐は眷属だと、色々なところに書いてありました。
このお稲荷さんも一筋の線があるだけ。
狐はいなかった、と思いました。
毎日お稲荷さんに行くには、毎日通るルートを
変えればいいだけでした。
毎日同じルートを通ってお稲荷さんに寄れば
行きと帰りの2回寄ることができました。
3日目にお稲荷さんに行くと
「犬?」
思わず呟きました。
口を開けて、はあはあ言ってこちらを
嬉しそうに見ている4足歩行の動物。
耳がピンと立って、お座りをしていました。
どうしよう、可愛すぎる
こんな可愛いものがいる、これは犬?
それともやはり狐?
chatGPTにも聞きました。
「お稲荷さんの中にいる、4足歩行の動物は何?
お座りしているんだけど?」
chatGPTは犬か狐か狼だと答えました。
おかしなことに、絶対私が行って喜んでいるのに
尻尾を振ったことは一度もありませんでした。
翌日もその翌日も4足歩行の動物はいました。
そしてその翌日に気づきました。
大きくなっている。
最初は祠に入れるくらいの大きさだった動物は
すでに祠の枠以上になっていました。
日に日に膨らんでいくその動物は
やがて鳥居と同じくらいの大きさになりました。
そしてその隣には髪の長い女性が立っていました。
これはもののけ姫?
もはや頭の中にはもののけ姫の主題歌が流れ始め
お稲荷さんにいる動物は狼説が有力になり始めました。
その女性は目が見えないようでしたが
動物と常に一緒にいて、その背中に乗ったり
体にもたれかかったりしていました。
結局お詣りをしても私の頭の中は
お稲荷さんで支配されているのでした。
そして大きさは鳥居を越し
もはや全貌が分からなくなってしまい
それを聖天様に愚痴を言ったら
祠の真ん中に縦線を引いて
そこを中心にしてみればわかるようになる
と言われました。
実際、そのようにすると小さくなったように見え
程よい大きさになりました。
タロット占い師のお客様にカードで
確認をしてもらい
無事動物は狐だということがわかりました。
そもそもが日本中に稲荷神社はあり
その中のどれもが同じではないから
祠の中に狐がいるお稲荷さんがあっても
それはいいのかもしれません。
ちなみにお稲荷さんに手を合わせるようになってから
透視能力が上がり、仕事量も増えました。

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